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 化物語[上]     【ライトノベル雑感】
2008/09/29 13:21

著:西尾維新
講談社BOX

アニメ化も決まって、タイムリーと言えばタイムリーなこの作品。
だけど、自分が読んだのは1年以上前の話です。
知り合いに薦めたらハマってくれたみたいだったので、自分も読み返して感想書くことにしました。
ずっと、ずっと感想書きたかったんですよ!

まず最初に。
結論から言えばある意味で”西尾維新の最高傑作”にして、キャララノベの究極形だと思います。
”怪異”というものに関わってしまった人たちの出来事を描いているのですが。
そんなストーリーなんかはどうでもよくて。
ただただキャラ同士の掛け合い、会話だけが続いて欲しいと思ってしまう。
そんな作品です。

オタ系ネタのギャグ(漫画とかアニメとか色々幅広いジャンル)がそこそこあるため、人によっては楽しめきれない可能性もありますが。
それでも純粋な「面白さ・楽しさ」という点においてはこの作品以上のラノベはないんじゃないかとさえ思えるくらいに楽しい作品だと思う。
ラノベ好きなのに、この作品を読んでないというのは本当に勿体無いです。
「泣けるエロゲーが好き」と言いつつ、「だけどKEY作品はやったことない」ってくらいに勿体無い(爆死)
ともあれ、以下はネタバレ込みの感想になるので、未読の人は注意!


第一話ひたぎクラブ
蟹のお話。
戦場ヶ原ひたぎさん登場です。
いきなりのホッチキスで心を鷲掴みにされました……
ツンデレとも微妙に違って、ヤンデレとも微妙に違う。
むしろ、ツンヤン(ほんのちょっぴりデレ)みたいな!?
このあと主人公の彼女となる、一応のメインヒロインなわけですが。
何というか、ここまで極まってる人間というのも凄いなぁと。
勿論良い意味で(苦笑)

このあと続々登場する個性的すぎるキャラがいなかったら、史上稀に見る濃いキャラなんですけどね……
他にもひたぎと同じレベルで濃すぎるキャラばかりのせいで、その凄さが埋没してしまうのが何とも惜しい。
時折見せる素直な部分がストレートすぎるのがいいですよね~
どうでもいい話ですけど、この作品のキャラ人気投票やったらめっちゃ面白いことになりそうです。

あとは忍野メメも個人的には好きなキャラ。
口癖の「何か良い事あったのかい?」は何とも言えない忍野の性格を上手く現してる気がします。
忍野忍に関してはここではまだあんまり触れずに……
でも、刃の下に心ありでハートアンダーブレードから忍と名付ける忍野のセンスは普通にカッコいいと思った。

あぁ、あと忘れちゃいけないのが阿良々木暦君こと主人公!
主人公と各ヒロインの会話がメインとなる作品であるため、彼の言動こそがこの作品の魅力の一端を担っています。
基本的にはツッコミですが、ボケもこなすオールマイティさを兼ね備えたオールラウンドプレイヤー。
麻枝准氏(KEY)の描く主人公と近いかな~
まぁ、エロゲの主人公なんて程度の差こそあれ、ああいったタイプが多いんですけどね。
ともあれ、彼のおかげでこの作品が成立していると言っても過言ではない主軸となるキャラです。

内容に関しては当然ながら特に思うことはありません(爆死)
前述の通り、ストーリーに面白さを見出す作品ではありませんから。
ヒロインが怪異の被害に遭っていて。(実際はそんな単純な状況じゃないけど)
それを忍野メメと暦の力を少しだけ借りて解決するという、ただそれだけ。
むしろ、これ以降の話も毎回同じ流れが繰り返されるだけです。
楽しむべきは過程であり、結末にはぶっちゃけ何の意味もないのが、この作品の特徴です。


第二話まよいマイマイ
蝸牛の話です。
かたつむりです。
今回のメインは八九寺真宵という小学生なわけですが、これがまた良い味出しまくりすぎのキャラで個人的にも大変お気に入り。
いわゆるロリ系キャラというのはもう何処にでも見かけるくらい一般化していますが、これがまた絶妙に個性的なんですよね……
他のキャラもそうなんですけど、分かりやすい属性を使いつつも、きっちり個性が保たれてるのが西尾維新の凄いところだと思います。

一見ただの丁寧言葉のロリキャラかと思いきや、そう単純な性格でもないあたりが素敵。
小学生ではありますけど、ある意味で暦との会話のレベルは一番高い気がしないでもない。
(でもやっぱりそうでもない気もする)
勿論、変な子であることは間違いないです。

ていうか、この話以降、何度も八九寺は登場するけど彼女を取り巻く状況にはあんまり触れてないのがちょっと気になるところでもあったり。
怪異の問題は解決しているとはいえ、もっと根本的な部分で、彼女は致命的な状態なんですよね、浮遊霊だし(苦笑)
それもあってか、基本的に暦以外との絡みはほとんどないですね……
まぁ、それを言えば他のみんなも9割方は暦との一対一の会話になるんですけど。
それがこの作品の魅力の一つでもあり、同時にちょっと勿体無いところでもあるかと思います。
そもそも、ひたぎと駿河(3話で登場!)にしたって、二人の直接的な会話シーンって1回限りなんですよね。
あくまで暦との掛け合いの中で話題に上がるだけで。

内容的には真宵のことよりも、ひたぎからの告白により見事恋人同士になった二人!というあたりが一番の盛り上がりどころ。
告白のシーンもひたぎらしい感じで非常に素敵です。
常に死と隣り合わせな感じがたまらないですね。


第三話するがモンキー
猿のお話。
そして、個人的に一押しな神原駿河が登場!
彼女のことを簡単に説明するならば。

戦場ヶ原先輩が大好きなレズであり。
ボーイズラブを愛する腐女子であり。
可愛らしい少女をも愛するロリコンであり。
マゾで露出狂で欲求不満な、エロい変態です!

でも、言葉遣いは物凄く丁寧だったり。
そのギャップがたまらない……
正直ここまで潔いキャラは見たことがないですよ。

敬愛するひたぎから多くの影響を受けているとはいえ、彼女を構成する要素は天然物に思えます。
とりあえず、究極の変態であることは確かなのですが、行き着くところまで行き着いてしまっているが故にマイナスなイメージが全く無いというのが彼女の凄いところ。
真面目モードな時もあったりするので、100%変態というわけでもないですしね。
というかむしろ、120%変態というレベルなのかもしれませんが(爆死)
生半可な個性では太刀打ちできないほどにずば抜けて個性的なキャラです。
ちなみに、もう一度言っておきますが、彼女に対する「変態」という説明には最高級の褒め言葉としての意味しかありませんので勘違いなさらぬように……

そんなわけで、大好きな駿河が登場する話なのでこれまでの3つの話の中でも一番お気に入りです。
一応、ひたぎとの関係が修復される話でもあるのですけど、その結果駿河が得た地位の何と微妙なことか!
いや駿河自身はそれに対して過不足なく満足していると思うのですけどね。
強さ(?)としては、ひたぎ>>>超えられない壁>>>暦>駿河って感じ。
まぁ、これに羽川翼が加わってくると更に面白すぎることになるのですが、それはまた別のお話……


それにしても、思いつく限り書いてたら稀に見る長文になりました。
これでもまだまだ書き足りないくらいなんですけどね。
この後に「傷物語」「偽物語」と続編が出てシリーズ物っぽくなってしまいましたが。
「化物語」だけでも物語としては完結しているので、まだ読んでないという人は是非今すぐにでも!
長編シリーズではない、上下巻の作品でここまでキャラを描ききれてる作品もなかなかないですよ。
文句のつけようがないとは正にこのこと……