著:片岡とも
MF文庫
ねこねこソフトで有名な片岡ともさんのノベルデビュー作。
同人ゲームのノベライズということですが、原作は未プレイ。
率直な感想としては「あぁ、ともさんの文章だなぁ」と。
お決まりのフレーズが色んなとこに見えることもあるけど、それ以上にやっぱりともさんの文章には独特の雰囲気があるね……
「朱-Aka-」以降の作品には手をつけてないので凄く懐かしかったです。
内容は比較的淡々としたものでしたが、どの程度原作に忠実なのかが分からないので、評価が難しい。
少なくとも蒔絵素子と昭島優花の二人に関してはかなり端折っているのは間違いないと思う。
特に優花は立ち位置が意味不明で解説が欲しいくらい(爆死)
正直なところ、この展開ならばこの二人はいなくても良かった気がする……
わざわざ巻頭のカラーページでキャラ紹介するほどの必要はなかった。
原作だとまた違った役割が与えられてるのかもしれないけど。
元々、ともさんの文章自体が「儚さ」をまとっているだけに、話の内容と上手く絡み合っていたのは良かったです。
ラストも色々な捉え方があると思うけど、少なくとも「悪い結末」ではなかった、と思う。
強いて言えば、きっちり終わっているにも関わらず、続きが書けそうな結末に評価が分かれるかもしれないけども。
あと気になったのは何箇所かでキャラの台詞が小説のルール違反っぽくなってる点。
その場に二人しかいないという状況で「○○○」「xxx」「△△△」と3つの会話が続いたなら、当然○と△は同じ人の台詞じゃなきゃおかしいわけですが、何故かAの台詞→Bの台詞→Bの台詞という感じになってる場面が何度もあって、ぶっちゃけ読みづらかった。
ゲームだと立ち絵とか使ったりで違和感なくやれることでも小説だと無駄に読みづらくなるだけでメリット皆無。
そこだけ物凄く気になったので勿体無かったなぁ。
ちょっと良かったのは、他でも見たことがあるような、ないような微妙なところなんだけど、各章の初めの風景。
1ページを使う挿絵ではなく、あくまで普通に文章がありつつ、その上で(同じページに)背景として挿入されてるのが演出として上手いなぁ、と。
どうでもいい話ですけど、主人公以外に登場する男キャラが主人公の父親(出番僅か)だけだったり。
その父親が非常にアレな性格の人物として描かれてたり。
その反面、ヒロインの母親は優しい人として描かれてたり。
このあたりが完膚なきまでにエロゲ的ですよね(爆死)
いや、エロゲ的というよりは男性向けエンターテイメント作品的というべきなのかもしれないけど。
そんなわけで懐かしい気持ちを抱きつつ、楽しめた作品でした。
この作品の一番気に入ったところは(少なくとも自分の読んだ限り)主人公とヒロインが恋愛云々とは無関係なところで物語が進んでいることだったり。
恋愛描写入れて18禁にしたら多分一気に駄作になると思う。
まぁ、あくまで個人的主観に基づく意見ですがね……