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 BLOODLINK 雪花<下>     【ライトノベル雑感】
2008/09/02 09:49

著:山下卓
ファミ通文庫

これは……何と言えばいいのやら。
終わってないのに終わってしまった。
或いは、終わったのに終わっていない。
何とも残念な結末です。

和志とカンナの物語はこれで第1部完結と言われても!
最後に和志とカンナが一緒じゃなきゃ全てが無駄になる気がしてならない。
それだけを求めてここまで来たはずなのに。
結局、和志とカンナの二人の再開のシーンを描かずに終了……ってそれはないわ。

謎が残りまくりなのはまだいい。
第2部というか、続編のようなものを既に構想中らしいし。
ただ、これでは二人の物語に一つの区切りすらつけられてないように思えて仕方ない。
ぶっちゃけ、箱庭とかキャストとか、そのあたりの話は今更どうでもいいと思うんだよね。
その設定からすれば、この物語は大人達がみんなで「和志育成ゲーム」をやってただけという風にも取れるけど(爆死)
いかにして、自分達の理想の和志に成長させられるか!みたいな。
そう考えると、全てが空虚なものにも思えてくるけど、それでも二人が幸せであるならそれでもいいと思えるし。

描いてないだけで二人は幸せになったよ、って言われてもそこを描かない理由はないはず。
むしろ、それこそみんなが一番見たかったものだと思うんだけどなー
作者的にはこれで満足なのかもしれないけど、読んでる側としては不満が大きすぎる。
というか、ただただ残念です……


結局、第1部完結と言ってもこの続きから和志とカンナの物語がまた始まるってことなのかねぇ。
今回すっきり終わってれば、もう和志とカンナは出てこなくても良かった気がするけど。
7年前の話とかをやるならもう和志達は出てこない方が都合が良いと思うんだけどなー

遊園地の話は良かったけど、中途半端な部分に挿入されてて勿体無く感じてしまいます。
どうせならあそこがラストシーンな方がまだ良かった。
過去に囚われすぎて前に進めないというのは単なる悲劇だけど。
過去を完全に捨て去っても前には進めないと思うのですよ。
過去があるから現在があり、そして未来へと続いていく。
そういうのを改めて感じさせてくれるカンナの言動が非常に印象的でした。

八神亮介を撃ったと思わしきラストシーンもあれはあれで嫌いじゃない終わり方なんですけどね。
今後も和志とカンナの物語が続く上で、あの結末であれば何の問題もなかったのです。
だけど、二人の物語のラストシーンがアレではとても納得することはできないよ。
本当に何度も言うけど残念すぎる。

ていうか、無駄に謎(伏線)を残しすぎ。
八神が和志に残した雑誌(フェイが持って行っちゃったけど)も分からないままだし。
八神に会いに行ったはずの桜井がいきなり出てくるのも全然分からないし。
夏美と沙由理が助かったのかどうかも不明だし。
そもそも最後の戦いは命をかけてまで二人を助け出そうとしたのが目的じゃなくて、佐伯史朗に会うのが目的だったはずなのに結局会えずじまい。
とてもじゃないけど、これで一つの区切りがついたっていうのは無理があるわ……


ともあれ、続編?次第。
このままじゃ終われない。
続編次第では名作になりうる可能性もあるものの、このままだと「やっちゃった」作品で終わる可能性もある。

それでも唯一つ、褒めるべき部分があるとすれば、それは区切りをつけられたことでしょう。
読み手としてはここで区切りがついたと言われても困惑するだけなんだけど、ね(苦笑)
外伝2冊を除くと、本編は6冊。
1巻の発売が2001年ですから、足掛け7年。
これだけ完全に「終わりどころを失った」作品で区切りをつけられたのは凄いことだとは思います。