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 レジンキャストミルク7 著:藤原祐     【ライトノベル雑感】
2007/06/21 17:14

レジンキャストミルク7
「レジンキャストミルク7」
電撃文庫。 (→amazon

最優先で書きたいと思っていた「ムシウタbug5」の感想もまだ書けていない中。
どうしても、この感想だけは残しておきたいと思ったので優先順位繰り上げます。
個人的にツボに入ってしまい、今のところ2007年のNo.1かな……と。
とりあえずネタバレ全開なのでご注意を。


序盤、中盤といつも通りの、もはやお約束になってきている日常(ギャグ)→非日常(シリアス)という展開。
だからこそ、安心していた部分があったのは事実。
恒例の冒頭エピローグも安心材料であったし。
それにこれまで何人かの被害者・犠牲者が出ていたけれど、修正力(リペイントマーカー)やら何やらのおかげで主人公側にとって致命的と言える部分までは一度も到達していなかっただけに油断していた。

確かに虚軸の中では一番危険度が高いのが彼女だったようにも思う。
蜜は彼女がいる限り、真っ先に死ぬという可能性は考えづらかったし。
そもそも、6巻で虚軸としての能力の大半を失ったという時点でフラグは立っていたのかもしれないけど、気付けなかった。
そんなわけで、終盤の展開は非常に衝撃的でした。

自分は比較的涙脆いのですが、大抵の作品で泣ける部分って1シーンなんですよね。
だからこそ、終盤泣けるシーンが連続した本作は余計に印象に残ることに……
まず、蜜との最期の会話と、ちゅー。
おそらくもう満足に動くことができない中で、それでも最後の力を振り絞っての行動がこれというのが何とも彼女らしくて。
こうなってしまった以上、最後の力を蜜のために使うというのは必然ではあるものの、きっちり貸し借りなしにしてしまうあたり、最後まで彼女の計算高さには恐れ入るばかり。
その後の蜜の虚界渦開放については前巻のネアのこともあったので、想像以上ではなかったけれど、それでも相変わらず無茶苦茶やね(苦笑)

そして、全てが終わった後の、硝子とひめひめの会話で再び撃沈。
虚軸ではないため、彼女のことを忘れさせられてしまったひめひめに対する硝子の台詞が心に痛すぎる。
「忘れててもいいです。これから、話しますから。だから……お願いです。あの人のこと、これから覚えてください。どんな人か想像して、覚えて、くださ……」
「思い出して」ではないところが何とも印象的。
思い出すことは無理でも、もう一度覚えることはできる。
覚えていてくれる人がいる限り、その人はみんなの中で生き続けることができるから。

エピローグ、彼女からの残された留守電を聞く晶と硝子。
彼女が何を思って、こんな言葉を残したのかは分からないけど、能力の大半を失ったことも含めて何か思うところがあったのかもしれない。
聞き終えた硝子が嗚咽をもらし始めたところで三度目の決壊。
その後の晶の決意はとりあえずは成長の証か。
ここで止まってしまうわけにはいかない。
正論すぎて逆に苛立つ部分もあるけれど、それでもそれは唯一未来へ進むための道であるのだろうと思います。

そして最後に、蜜と君子の会話。
ようやく、彼女のことが好きだったと認めた蜜に折角止まった涙が再び。
読み終わってから裏表紙やら巻頭の漫画を読むと、何とも言えない気持ちになりますね……


ある意味ではここまで予定調和なのかもしれないけど、それでも個人的に彼女の死にはやられた。
次の8巻が最終巻となるそうですが、果たしてどのような結末を用意しているのか。
自分としては結末以上に、みんなが生き残れるかどうかの方が気になりますが。
こういう展開になった以上、ネアや里緒も非常に危険度が高いような気もしないでもないので。

ともあれ、8巻を楽しみに待つことにしましょう。
彼女がいない以上はもはや大団円は不可能であり、そもそも自分は根本的に安易なハッピーエンドを嫌悪する方ですから、ある意味期待通りの展開を見せているわけですけど、それでもこの作品に限って言えばもうこれ以上誰にもいなくなって欲しくないなぁ、とか思ったり。
前作「ルナティックムーン」の最終巻からしても、そう簡単にゆるゆると終わらなそうではありますが。