
「レゾナンス 1.夕色の墜落」
角川スニーカー文庫。 (→amazon →bk1)
第10回スニーカー大賞<優秀賞>受賞作品。
これまた典型的なスニーカー系の作品だなぁ……
スニーカー系と言われても分からないでしょうけど、学園+異能の力+青春、みたいな?
巻数表示が1になってるのが激しく気になるところですけど、デビュー作としては上々。
まず、捻くれた性格の主人公、霧崎深也が個人的にツボでした。
一歩間違えれば世界の敵にもなりうるというか、自らを閉ざし切っている感じがいいね。
「ムシウタ」の大助をより一層根暗にしたような感じ(何)
思考がネガティブすぎると言われるとその通りなんですけど、こういう主人公もありかなーと思います。
ヒロイン、遠野昼子の扱いがちょっと特殊なのもまた良し。
ていうか、このヒロインの扱いに関しては1巻と銘打たれてることが激しく気になるんですけど、どうするつもりなんでしょうかね……
かなりあっさり死んじゃったとはいえ、主人公的にはその存在は失ってなお、無視はできないはずで。
この死をひきずるのだとすると、今後はヒロインキャラを登場させづらいし、恋愛系の話も書きづらそう。
逆に次の巻であっさり代わりのヒロインが登場してそのキャラと恋愛話をするつもりなら、相当なめてると言える。
自分は誰かを好きになった経験というのがないので、こういう問題は正直分からないんですけど。
あくまで理想論として、好きだった子が亡くなって、すぐに他の誰かを好きになれる・興味を抱ける人物というのは、何というか、人として好きになれない気がするんですよね……
別に一生涯、その亡くなった子のことを想い続けるべきだ、とまでは言いませんがー
しょせん理想論なのかもしれないけど、とりあえず2巻の登場人物次第?
まぁ、バランス的にヒロインっぽいキャラがいた方が色々とやりやすい(面白くなる)んだろうけどねぇ。
それくらい分かった上で今回ヒロインを殺してるわけだから、作者なりの考えがあるのだと思いたい。
それ以外のキャラに関しては……野沢雫は正直存在価値が微妙だった……ような……気が。
何のためにいたのかよく分からない。
林友子は役割としては分かりやすいけど、印象はイマイチだったかなー
というか、よくよく考えると、ほとんどの登場人物があまり印象に残らないのはちょっと問題ありかも?
良くも悪くもありがちすぎるキャラなんですよね。
深也の保護者的立場の永見蓉子は、能力者を管理する大人というポジションから「円環少女」の仁を連想したけど、全然違ったね(苦笑)
あっちはあっちで問題のある大人だけど、こっちは逆にあまりにも組織優先すぎて。
まぁ、大人としてどっちが正しいかというと、蓉子の方なんだろうけどね……
自分の管理してる子供の(組織への)裏切りすら想定済みというのは流石にひくわー(爆死)
この人が深也のことを信じてあげられないなら、この世界に深也が心を許せる相手が存在しないってことになるよね。
ともあれ、設定、ストーリー、キャラ(主人公)とバランスは悪くない作品だと思うので、もう少し付き合っていこうかな。
ただ、この作品も未だに続刊の発売が未定なままなのが気になります。
2006年のスニーカー大賞の受賞作家はみんな遅筆なんですかね……