
「アンダカの怪造学Ⅲ デンジャラス・アイ」
角川スニーカー文庫。 (→amazon →bk1)
学園モノでは定番の転校生話だそうですが、転校生だからどうこうって話ではなかったような……
まぁ、学園モノと言ってもその多くはあくまで「舞台の一部が学園」ってだけで、その中だけで進行するような作品は少ないけどね(苦笑)
新キャラ、というかあからさまな今回の敵である仇祭遊(あだまつりゆう)に関して。
ある意味では非常に分かりやすいキャラ。
伊依の幼馴染ってことで結局ラストは説得されて終わりかなーと思ってたら、概ねその通りだったしねぇ。
今後は舞弓に続く一緒に戦う仲間になるのかな……
怪造学会に利用されることで生き長らえたということでいつ切られても不思議じゃない危うさとかが良い感じっぽいですが(何)
性格的に、平常時の、伊依をからかったりと余裕のある態度が好き。
転校生紹介時に伊依との関係を聞かれた時の会話。
「伊依ちゃん、伊依ちゃんは──僕のことが嫌いなの?」
「え。やっ──べつに」
「じゃあ──好き?」
「え──あ、うん」
「とまぁ──彼女とは、相思相愛の関係です」
こういうストレートなやりとりできるキャラは大好きです(爆死)
ていうか、序盤の方の展開がどうにも無理があったような気がするのは自分だけですかね……
舞弓自身が遊と戦闘して、明確な「敵である」という認識だったはずなのに、あっさり転校生として学園に来ちゃうのは如何なものなのか。
そんなに舞弓の発言は軽視されてるんですか?(苦笑)
ボロボロの身体で学園に来て危険を訴えてるのに、完全にスルーされるとか切なすぎ。
しかも、そこまでは凄いカッコ良かったのに痛みで気絶して保健室行きってどんな退場の仕方ですか!
舞弓はこういう扱いのキャラになるのね(爆死)
339ページの挿絵とか、戦ってる時の彼女は最高にカッコイイのに。
伊依の過去について。
びっくりするぐらいの別人っぷりでした。
今の伊依のように激変させるきっかけを作ったという意味で、遊の存在は大きかったんだろうねぇ。
でも、尊大な態度の幼い伊依もこれはこれで嫌いじゃないというか(何)
結局のところ、どうやってあの場所から抜け出せたのかが気になるところですが。
滅作が連れ出したんだろうけど、そう言えば、彼の印象はがらりと変わりましたね~
もはや普通に娘のことを心配してる良いお父さんにしか見えないわけで。
でも、だとするとどうして「魔王を怪造できる」までの厳しい英才教育を伊依に施したのが気になるところ。
その辺にも怪造学会の裏の顔が絡んでくるんでしょうか。
怪造学会について。
怪しさ大爆発というか、むしろここまで来るともはや怪しいとかそういう次元の話じゃなさそうか。
絶対に開けてはならなかったパンドラの箱を無用心にも開いてしまったせいで、それを抱え込まざるを得なくなっているとうか……いや、妄想ですが。
怪造学会最大の汚点とは、つまるところ、人類最大の汚点と言い換えてもいいはずでね。
伊依の人間と怪造生物(モンスター)が一緒に生きるという目標は、難しいとかいうレベルではなく、世界と真っ向から対立することになる目標なんだろうねぇ……
執行部長、爆川嫌凪(はぜかわやなぎ)。
口癖が「死ね!」という素敵キャラ。
いや、一見アレで逝っちゃってるっぽいですけど、実際は一番まともそうですよね……
付け入る隙は一番ありそうだし(爆死)
怪造学会総長こと、激流院潮静(げきりゅういんうしおしずか)。
これまたとんでもなく濃いキャラで。
一応今後の展開上、最大のキーパーソンなのかな……
伊依の目的は怪造学会の目的とは相容れないものになりそうだし。
でもだからと言って100%敵になるというわけでもなさそうという複雑な状況。
どこに、或いは本当に「敵はいるのか?」というのがある意味では最大のポイントなのかね。
サブキャラについて。
片津理夢(かたつりむ)。
謎っぷりが更に増したというか、現時点では描写が少なすぎて何とも言えないけれど、何気に(怪造学)の根っこの部分くらいにまで関わっている可能性もありそう。
忠告はしても積極的に助けることはないというのは中立的な立場にあるということなのか、それとも。
魅神香美(みかみかみ)。
相変わらず謎多きキャラですが、何と言うか、秘密兵器的雰囲気があるかな。
何気に冒頭のキャラ紹介ページでは、伊依・舞弓・遊と同じだけのスペースを取ってたり。
今後のキーパーソンとなる可能性は高そう。
個人的には「まったくさ、高校生でしょ、おたくら。世界を変えるんだって命賭けだったり、正義のために血まみれで戦ったり、憎悪にまみれて陰謀めぐらしたり、馬鹿じゃない?」という彼女の言葉は真理だなと思った。
全てを否定してしまう真理だけどね(苦笑)
ラスト。
最悪の禁忌怪造生物(タブー・モンスター)ヴェクサシオン。
えげつないやり方が大変お気に入り(爆死)
最悪って言われるぐらいだからね、最悪の名に相応しくないと。
そして、ここでも問題となる「魔王」のこと。
1巻であっさり怪造(召還)しちゃってるだけに、本当に困った時には魔王を呼び出して戦うというのもありなのかなーと思ってたけど、この分だとおそらく魔王を怪造するのはもう一度だけになりそう。
そこが(物語の)終焉になりそうですよね。
「スレイヤーズ」でのギガスレイブと同じで、その危険性と真の意味を理解してしまえば、もうそれに頼ることはできなくなるもの。
とりあえず、ヴェクサシオンの台詞などを見てても魔王という存在は不確定要素が強すぎるわけですが。
「どうか魔王を、怪造学の呪縛から助けてあげて」
これがどういう意味なのか。
結論。
あとがきによると第1部完、らしい。
伊依・舞弓・遊の3人で……事件・真相に立ち向かう、という感じになっていきそう。
少なくとも1巻の時よりは随分面白くなってきました。
1巻読んだ時に感じたあまりにも「普通」すぎて、何の特徴もない個性の薄さはもはや感じられず。
やっぱり日日日氏は物事の、キャラクターの、裏の部分を描いてる時が一番輝いてる気がします。