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 I/O 鏡の中の”少年” 著:健部伸明     【ライトノベル雑感】
2006/07/16 22:55

I/O 鏡の中の”少年”
「I/O 鏡の中の”少年”」
ジャイブ。 (→amazon  →bk1

レジスタから今年1月に発売された「I/O」のノベライズ。
聞き慣れない出版社ですが、どうやらエロゲ・ギャルゲ系のノベライズを出してるところらしい。
文庫サイズではなく、B6判という珍しいサイズのせいか、お値段は約1000円と高め。
ページ数も200ページ以下なので、気軽には手を出しづらい感じ。

自分は基本的に気に入った作品のノベライズが出てもまず読みません。
それは何故かというと、基本的に原作の流れを追うようなノベライズでは単純に原作の劣化版にしかならないから。
ではオリジナル要素が多めならいいのかというと、そうとも言い切れず……
この辺は(ノベライズの)作者がどれだけ原作を理解しているかという部分も大きく関わってくるので、余計に原作ファンからすれば許せないノベライズになる危険性もあるわけで。

その点、この「I/O」のノベライズは原作のシナリオ(ルートA?)を担当された健部伸明氏が書くということ。
そして、原作の原案・シナリオを担当された中澤工氏が監修ということで、その辺の心配は無用でした。

で、内容に関して。
これはまた何とも感想にしづらい(苦笑)
あとがきでも触れられてますけど、普通のノベライズではなく、小説というメディアを用いた本編(原作)の追加モジュールなんですよね……
いわゆる「原作の流れを追う」という一般的なノベライズではなく、あくまで本編の付加要素という面が大きい。
なので、ゲームをやる時間ないからこのノベライズを読んで大まかなストーリーを把握……といった読み方は不可能。
原作を終わらせていること、それがこの作品を読むための最低条件かな。

ただ、この作品を本編の一部としてしまうと、一つの問題が出てきます。
つまり、このノベライズを含めて「一つの作品」であるとするならば、本編は未完成だった、ということになってしまう。
非常に難しいところなんですけどね……
ただまぁ、全く新しい設定というのはおそらく出てきてないはずなんですよ。
例えば、イシュタルこと暁明星の母が篠塚忍(篠塚ダブルの母親)であるという事実。
これは自分は本編では気付けなかったけど、推測させるだけのヒント・伏線はあったと思うし。
そういう意味では本編は本編できっちり完結していて、その上で、気付きづらい伏線などを分かりやすくまとめた補完アイテムなのかな。

視点が頻繁に切り替わる構成になってるので、純粋に物語を楽しむというよりはやっぱり本編を補完するための作品なんだろうね。
小説で視点切り替えというのは別に珍しくもないけれど、流石にその視点の数が20以上というのは普通ではありえないから。
一応はアイゼーアとエレシュキガルがメインっぽいけど。

ていうか、この作品、実は終わってないんですよね(何)
続きとなる部分がレジスタの公式ホームページにアップされてて。
(しかも、現時点ではまだ全てがアップされてない)
原作でも特殊なストーリー構成が一つの魅力、ポイントになってるだけにノベライズの続き(結末)がホームページ上にあるという特殊性をどう活かすつもりなのか大変興味深い。


そんなわけで、原作をやった人だけにしか薦められませんが、逆に原作プレイ済みの人なら是非読むべきだと思う。
個人的にはこういうノベライズなら今後も大歓迎。
やっぱり、ゲームのノベライズは原作をプレイした人が一番楽しめなきゃいけないと思うのですよ。
ただただ原作の流れを追う(しかも端折りまくって)だけのノベライズには正直価値を見出せないので。