
「マキゾエホリックCase1 転校生という名の記号」
角川スニーカー文庫。 (→amazon →bk1)
第10回スニーカー大賞<激励賞>受賞作。
まず気になったのは帯。
本屋とかで目立つ金色の帯なわけですけど、これって「ハルヒ」だけの特別仕様じゃなかったんですね……
スニーカーは毎年これを使うつもりなのかね。
「ハルヒ」の時は確かにインパクトがあったけど、流石に何度もやってるとその価値がなくなる気が。
内容に関して。
これは8割くらいがアイディアによる勝利だと思う。
いわゆる「今までありそうでなかった」ものを具現化した作品。
正直なところ、ストーリーもキャラクターもそこまでインパクトはないんですよね。
でも、キャラクターの記号化という点をここまでピンポイントに描ききった作品は、少なくとも自分が知る限り他にないです。
それを実現した、実行に移したことが一番の評価ポイントかな。
読む前はかなりの確率で地雷かもしれないと危惧してたんですけど、杞憂に終わって何より。
でも、巻末にあるクラスメイト一覧(計32人の顔と名前と記号)を最初に見た時はかなり”やっちゃった感”がしましたよ?(爆死)
いやだってこれ、何とは言わないけど、某マガジンのアレみたいな感じじゃないですか(爆死)
まぁ、あっちは全員(なのかどうかは読んでないから分からないけど)女の子なのに対して、こっちは男16人、女16人とバランス取れてるけど。
ライトノベル……に限らず、漫画でもアニメでも一つのクラスの30余名が全員登場人物ってのはそうそうないと思うんですよ。
まぁ、流石に1冊で全員を登場させるのは不可能ってことで、1巻はそのうちの10人程度しか出てきてないですけど。
それでもいつかは全員登場させるつもりなんだろうし、キャラが増えれば増えるほど色々と書きづらくなりそうな気がするけど大丈夫なのかねぇ(苦笑)
記号に関して。
主人公の記号が「受難」なのは、読んでいて「なるほどなー」と感心。
一見「受難」ってどういうこと?って思いますけど、要するに必ず事件に巻き込まれるってこと。
確かに主人公という立場にとってはこれ以上ないくらいにベストマッチな記号ですね。
ついでに、今ひとつ分からなかった「ハーレム」という記号。
こっちは早い話がギャルゲの主人公、と(爆死)
「巫女」「妹」「幼馴染」といった分かりやすい記号だけじゃなくて、ちょっと捻った記号が使われてるのは何気に予想外でした。
まぁ、30個以上も記号を集めようとするだけで結構大変なのかもしれません。
ストーリーは一応ミステリっぽい作りになってるけど、それが作品の面白さに直結してないのがこの作品の特徴か。
上でも書いたように、結局は記号化というアイディアの勝利ゆえに、イマイチ一つ一つの要素が評価しづらい。
決して悪くはないにしろ、さほど印象に残るわけでもなく……
うーん、この辺はアイディアが際立って目立ってしまっている弊害かね。
テキストは比較的読みやすい方でしたけど、作品の評価も、作家の評価も次以降に保留せざるを得ないねー
新人ということもあって、特に次の2冊目は重要。
ともあれ、個人的には非常に楽しめた作品でした。
好きなキャラは……今回の主要キャラの中では主人公の高浪藍子(たかなみらんこ)かな。
典型的な主人公属性みたいですけど、こういう王道は嫌いじゃない。
彼女以外では、遠乃キミオしかいないですかねー
いやー、こういう記号として欠かせないですよ、「電波」は(爆死)
台詞も含めてテキストはあまり印象的ではなかったけど、彼の台詞だけは比較的印象強め。
おそらく、今後もスポットライトがあたる舞台には立たないだろうけど、常に裏で存在感を主張している、そんなキャラになりそう。
あーなんだかんだで、キャラ作りは結構悪くなかったですね。