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 うそつき 嘘をつくたびに眺めたくなる月 著:日日日     【ライトノベル雑感】
2006/03/05 15:39

うそつき 嘘をつくたびに眺めたくなる月
「うそつき 嘘をつくたびに眺めたくなる月」
新風舎文庫。 (→amazon  →bk1

「ちーちゃんは悠久の向こう」に続く、新風舎文庫からの2冊目。
内容的にも、作品の位置付け的にも同じような雰囲気。
ただ、こっちの方が圧倒的に棘が少ないというか……
「ちーちゃん」という作品は非常に感情移入しづらい、分かりづらい描写がされてる部分があったけど。
こっちはかなりストレートで分かりやすい。

あくまで、個人的な意見ですけど、読んでる最中ずっと「桜庭一樹さんの作品に似てるなー」と思ってました。
主人公の少女の描写のされ方とか、(良い意味での)容赦のない展開だとか。
テキストも含めて終始、桜庭節に近いものを感じたので、これまでの日日日作品があんまり好きじゃないって人でも、この作品は違った感想を抱くかも。

内容的を一言で表せば、一人の少女の恋愛物語。
まぁ、実際はそう簡単な話でもないんですけどね。
恋愛の意味とか、そういう面を真正面から描いてるので普段ラノベ中心に読んでる自分としては新鮮でした。
キャラ主導ではなく、テーマ主導というか。
もちろん、それでキャラの個性が消されてる(薄くなってる)ということもなく。
文句ないくらいにキャラクターとストーリーのバランスが取れてる作品だと思います。

単純な好き嫌いで言えば自分は「ちーちゃん」の方が好きなんですけどね。
現時点で日日日氏の作品の中では「ちーちゃん」が一番好きなんで。
ただ、完成度という点から見れば圧倒的にこの作品の方が上。
昨年デビューなのに、既に10冊近く出してることもあって、出版社も地味であんまり騒がれなかったこの作品は読んでる人が少ないような気がしますけど。
日日日作品が好きな人は必読かと。
それと、上でも書いたように(自分は)桜庭さんの作風に非常に近いものを感じたので、桜庭ファンの人も機会があったら読んでみてほしいですねー
あくまで自分がそう感じただけなので、読んでみたら全然そんなことなかったという人もいると思いますが(爆死)

これで日日日作品は8冊目ですけど、自分としてはこっち方面の作品の方が彼の個性を発揮できてるような気がしないでもない。
「アンダカの怪造学」や「狂乱家族日記」、「蟲と眼球とテディベア」あたりはどうしてもラノベということを意識しているからか、その個性が最大限発揮できてないような気がするんですよねー
それでもどの作品も標準以上なのは、ひとえに彼の才能ゆえ、かね。
正気なところ、ラノベ系出版社からの作品よりも、もっと一般文庫から作品を出して欲しいですよ。