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 平和の鐘、永遠の女王 著:いわなぎ一葉     【ライトノベル雑感】
2005/10/05 15:36

平和の鐘、永遠の女王
「平和の鐘、永遠の女王」
富士見ファンタジア文庫。 (→amazon  →bk1

「約束の柱、落日の女王」でデビューしたいわなぎ一葉さんの3作品目。
「約束の柱、落日の女王」「真実の扉、黎明の女王」の続編であり、三部作という形らしい。
それならそれで、最初からそう言っておけば良かったのに。
3作目が出てから「実は三部作でした」って宣言するのは何の意味があるの?

個人的には1巻が新人とは思えない素晴らしい出来で、昨年デビューの新人の中では一番高評価だったのですが。
2巻があまりにも蛇足すぎて一気に幻滅してただけに、今回はどうなることかと思ったのですが。
正直な感想としては悪くなかったと思う。
悪くなかった、イコール、そこまで良くもなかったってことなんですけどね。
まぁ、2巻を考えればこういう結末に落ち着くのも当然だし、悪くなかったというよりも9割方想像通りの終わり方だった、と。

ただねぇ……2巻の感想のとこで何度も書いたことだけど、1巻のラストは何だったんだろうなぁ、と。
その後の2巻・3巻の展開を考えると、あの終わり方はありえない気がするんだけどなぁ。
この作品、結局何が言いたかったのがよくわからない感じです。
運命で結ばれあった二人はたとえ時が流れても再び巡り合って一緒になる、と。
そういうテーマなのかね。

こういう言い方はアレだけど、ぶっちゃけ陳腐っつーか、少女趣味だよね。
これも2巻の感想で書いたけど、運命で好きになる人が決められている、それ以外の道はありえないっていうのは、自分からしてみれば全然ロマンティックでも何でもない。
それは、運命はどうしたって変えられないって言ってるのと同じで。
未来がない。
ひたすら「今」と同じことを繰り返すだけで一向に未来へと進めない。
それが”良いこと”とはとてもじゃないけど思えないですよ。

しかも、あとがきには「愛の力で運命を切り開く力を得ていく」とか書いてあるけど、この運命ってのはどういう意味で使ってるんだろうか。
自分からしてみれば何にも切り開けてない気がするんですけど。
別に愛の力云々はいいけど、どこ(何)をどうやって切り開いたのかを説明して欲しい。
あとがきを見てると作者は「書き切った!」って思ってるんでしょうけど、読み手からすると何かもう根本的に勘違いしてるように見えるというか……

唯一の救いと言えば、これで完結ってことですかね。
これ以上続けられたら1巻の評価が空しくなるだけですから。
まぁ、最初から三部作にすることが決まってたなら続くはずもないんですけど。


今回の話の感想もちょこっとだけ。
まず、新キャラのレティシーヌはかなり良かったです。
2巻のジシェルもそうだったけど、わりとサブキャラの位置づけとかそういうのは上手い方ですよね。
イルマと仲良くなるのは想定外っていうか、別にカップリングする必要はないんじゃないかという気もしないでもないけど、この辺も少女趣味っぽい感じ。

展開自体はなんかもう色んな意味で温すぎ。
ある程度結末の方向性が見えちゃってるだけに仕方ないのかもしれないけど。
意外な展開も全くなく、そうなるだろうなぁという通りに進んでいくのでストーリー的な面白さはかなり希薄。
クレアの嫉妬描写とかもなんだかなぁ、という気すらしてくる。
あとは気になったというか、多分作者的にはもう終わったこととして処理されているのであろうクリムのことがほとんど出てこなかったのがある意味凄いな、と。
「クレア=クリムだから問題ないよ?」って言い切れちゃうのはちょっと凄いと思います。
カルロの方もそのことは気にしてないみたいだし。

ストーリーと言えば、構成というか進行が明らかに微妙なとこがありますよね……
クレアは仮にも一国の女王なのに、護衛一人だけしかつけずに敵国(になるかもしれない場所)に行かせるとか普通に考えてありえないし。
ご都合主義というのか、どうも展開的にそれってどうなの?と思ってしまう部分が何箇所か。
結局のところ、現時点では普通の新人作家という印象になってしまったなぁ。
嗚呼、1巻で終わらせておけばこんなことには(爆死)


ともあれ、1巻は本当に素晴らしかったので、次の作品に期待しましょう。
あとがきによると、次もファンタジー系らしいですし!
数少ないファンタジー作家は貴重なんですよ……
自分はライトノベルと言えばファンタジーに決まってるだろ!?な人なので。
別に学園モノとかが嫌いなわけじゃないですけどね。