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 シフト―世界はクリアを待っている― 著:うえお久光     【ライトノベル雑感】
2005/08/30 23:07

シフト―世界はクリアを待っている―
「シフト―世界はクリアを待っている―」
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率直な感想。
「続きはいつ出ますか?」
これってさ……続きは出る……んだよね?
「空の中」とか「海の底」とかのハードカバー作品はきっちり完結してただけに、この作品もそうなんだとばかり思い込んでたけど。
この作品は全然終わってない罠発動ですよ。
中盤読んでるあたりで「残りページ数もそんなに多くないのに、どういうオチを用意してるんだろう?」と思ってたら、まさかこんな消化不良な終わり方とは……
問題が10個出てきて、そのうちの1個をとりあえず解決してそれで終了って、じゃあ残りの9個の問題はどうなるんだよ、と。
これで続きは出ませんとか言われたら、もう二度とこの作者の作品は買いたくないなぁ(苦笑)
こんな終わり方、とてもじゃないですけど納得できませんよ。
風呂敷を広げるだけ広げて、何もしないで放置って、新人作家だってもうちょっとマシなオチにするでしょう。
テーマとか描きたいことは書ききったと作者が言ったとしても、読み手が全然納得できてないのであれば、それは単なる自己満足に過ぎないと思うのですがね。

そんなわけで、評価自体は保留。
もしもこのままこれ以上の続きが出ないのであれば駄作
発売日未定でもなんでも、続きを書く可能性があるのであれば、名作確定
いやね、個人的には物凄く面白かったわけですよ(爆死)
これだけ面白い作品をこのまま放置なんてことはどうしても許しがたい。
作者の代表作である「悪魔のミカタ」シリーズはまだ続いてると思いますけど、そっちは放置でもいいから、とにかく今すぐにでもこの続きを書いて欲しい。

内容。
最初は「ハンターハンター」っぽい感じかなぁ、と思ったり。
ぶっちゃけ、自分は詳しく知らないんですけどね、「ハンターハンター」(爆死)
スキルスロットとかカード刺してスキル使用とか、内力(身体の中にある力?)とか。
まぁ、そのあたりの設定は似たような感じかなぁ、と。

で、メインとなるのが二つの世界の設定。
一つは普段生活している「現実世界」
もう一つが現実世界で眠った時にシフト(夢?)して体験可能な「向こうの世界」
これもまぁ、ありがちっていうか、珍しい設定でもないんだけど。
現実世界への影響云々という部分を見て、「何かにそっくりなんだけど、何に似てるんだっけ……」とずっと考えてたんだけど、ようやく思い当たりました。
この世界設定は「バイナリィ・ポット」の”ワールド”にクリソツなんですよ(爆死)
ていうか、むしろそのまんま?
まぁ、アレも今までに見たことない設定というわけじゃないんだけども。
そんなわけで、「バイナリィ・ポット」+「ハンターハンター」を想像すると、ほぼこの作品になります。
二つの世界で流れている時間の矛盾に関する部分とかは全く触れられてないから、それはどうなってるのか謎だけど。

テーマ的なものに関しては、うーん……正直なぁ、これだけじゃ何とも言えず。
部分部分を取り出してみればテーマは多分あるんだろうけど、全体を見ると何もかもが始まったばかりで、描ききってると言えるテーマは皆無だなぁ。
本気でこれをちゃんと完結できれば、個人的にも久しぶりの超名作になりうるんだけど。
シリーズ化しないにしても、それならせめてしっかりと描ききれる部分に関しては最後まできっちり書いて欲しかったなぁ。
ヒロインとか、終盤は時間もないからか、全く出番なしで完全にスルーされてるし。
いや、ホント、ここまでキャラもストーリーも設定も何もかもを豪快に放置してる作品はそうそうお目にかかれない気がします。
素人が自分の妄想を適当に小説にしてみたけど、後半はダルくなったから適当にまとめた、みたいな?
惜しむらくは前半部分及び全体の設定に関しては文句の付けようがないくらい素晴らしい出来だってこと。
これが最初から最後まで面白い部分がなければ、完璧に駄作!の一言で済ませられるんだけど、なまじ面白すぎる部分があるだけに否定しきれないのが辛い。

基本的にはファンタジー好きな方向けの作品かと。
自分はライトノベルの基本はファンタジーだと今でも思ってるので、こういう世界は大好きなんだけどねぇ。
剣と魔法の世界で、仲間と冒険して、魔王と戦う。
古き良き~~って感じで今はもう流行らないのかもしれないけどね。
それでも。
今でもファンタジーを求め続けている自分みたいな人間がいるのも事実で、そういう人にとってはこの作品は非常に価値のある作品なんだけどなぁ。

ハードカバーって点に関しては「空の中」「海の底」でも書いたとおり。
自分は値段は全く気にしてません。
1600円もしたのに満足できなかったとか、そんな感想は自分にはありえない。
流石にエロゲ並みの値段(8800円とか)だったら、躊躇しますけどね(苦笑)
600円ならいいけど、1600円は高いってのは学生さんの論理かなぁ。
少なくとも自分の中ではハードカバーは値段高いって認識はなかったりする。
(手に持った時の)重さと、(寝転がったりした時の)読みづらさ以外は普通の文庫となんら変わらないと思ってます(爆死)
イラストがないことに関してはこの作品の場合、可もなく不可もなく。
内容は明らかにライトノベルなんで、イラストありの方がそれっぽくなると思いますけどね。
どっちにしろ、普段ラノベ読まない人はイラストがないからって(理由では)買わないでしょうし。


結論。
これはこのまま放置して終わらせるべき作品ではないので、一刻も早く続編を!
続編を出さないのであれば、もう自分は二度とうえお氏の作品は買いません。