
「Dクラッカーズ6 追憶-refrain-」
富士見ミステリー文庫。 (→amazon →bk1)
いきなり意味深なシーンから始まって、これいつの話だ?とか混乱しそうに。
ただ、読み進めていくとその意味がわかって、あぁ、なるほどというか。
全ての始まりの部分が示されているのですな。
女王の行為には悪意がないのが救いであり、絶望なんですよね……(謎)
それはあの3人(バール達)にも言えることなんだけど、悪意がないゆえの性質の悪さみたいなものがありますよね。
まぁ、それは置いといて。
基本的に序盤で描かれてるのは束の間の平穏な日常。
で、ポイントはそこで浮きまくってるというか、どうしても馴染めずにいる景の描写なわけですがー
やっぱり凄い分かるなぁ……
景の持ってる感覚は自分の持ってる感覚とホントによく似てる。
ラノベとかゲームのキャラで、「このキャラの考え方(や生き方)はいいなぁ」と思うことは結構ありますけど、景ほど自分自身と重ねられるキャラは初めて。
そして、梓の告白。
多分、今後の展開上、かなり重要なシーンではあると思うんですけど、個人的には特にどうということもなく。
というか、アレなんですよね。
景と梓のペアは凄く良いと思うんだけど、二人が恋人同士と考えるのがどうしても出来なくてね……
短編集とかで描かれてる幼少期の二人の方がむしろ今以上に深い関係だった気がして。
いや、今の関係が浅いとかいうことじゃないんですけど。
やっぱり、景と梓の関係は恋人という言葉で片付けることは自分には出来ないなぁ(苦笑)
まぁ、このタイミングでの告白には意味があったから納得はしてますけど(謎)
その後出てくる新キャラ滝田静。
えぇ、もうこれ以上ないってくらいに役割が定まっててある意味可哀想なキャラですよね(爆死)
そもそも、景と梓のように他人が入り込めない絆を持ってる二人に対しては、最初から勝ち目の全くない戦いですから。
キャラ自体も悪くはないんだけど、イマイチ印象が薄い……
登場する時期が時期だけに、レギュラーキャラと比べて印象薄いのは仕方ないことなのかもしれないけど。
とりあえず、景との会話が色々と新鮮だったので、その点は良かったかな。
今まで、景が梓や水原以外の人と喋るシーンはほとんどなかったからね。
(そういや、甲斐との会話とかも数が少ないだけに、印象的でよく覚えてるなぁ)
あとは……忘れちゃいけないのが茜のメールか。
あの状況で、絶対に何が何でも残しておきたかったこと。
ちょっと涙腺刺激された。
終盤。
怒涛の展開というか、何と言うか。
序盤のまったりな平穏は全て、ここまで来るための布石だったんだろうなぁ。
それにしても、梓が景のことを忘れる、王国へと行ってしまう景のことをカプセルを飲んだことのある者達はすぐに忘れていく、という展開が、もうね(以下略)
って、別に略す必要もないんだけど、どの辺からか、自分の中では「ONE」の永遠の世界に近いものを想像しながら読んでた気がする。
向こうの世界へ行ってしまった大事な人のことを忘れてしまうというのは、やっぱり似てますし。
自分の(本当の)意思とは違う部分で向こうに行くことになってしまう景とかも、やっぱり似てる。
ラスト、景がこれが最後になるかもしれない自分の部屋への帰宅のシーン。
平静を装ってこそいますけど、やっぱり覚悟を決めかねている感じですよね。
常とは違う言葉遣いとかからも伺えますけど、この時点でも迷って、迷って答えを出しあぐねている感にも自分は好感が持てたり。
その後の梓との電話のシーンとかもそうだけど、この時点では梓こそが(景がもう一度こちらの世界に戻ってくるための)キーとして描かれてるように見えますけど。
実際は彼女だけがキーというわけではなかったというのが個人的に一番意表をつかれたかな。
(ちなみに、既に7-1&7-2巻も読み終わってます)
いかにも、最後は景と梓、二人をメインに描かれるのかなーと思わせてるのが絶妙。