
「Dクラッカーズ5 乱-rondo-」
富士見ミステリー文庫。 (→amazon →bk1)
初っ端から個人的に興味深すぎる展開。
ベルゼブブ、個人的に好きなんですよね……
彼の考えと、生き方が。
いや、好きというよりも憧れるというか(謎)
でもって、今回の最大の注目ポイントは景と梓の屋上での会話!
過去に自分が景にしたことを思い出した梓が謝りに来るわけですが……
これがもうね、ツボすぎ(笑)
「なんでいまになって『ごめんなさい』なんだ? 君の言動に論理性を求める気はないけど、さすがに七年越しの謝罪が今日このときというのは突飛すぎるな」
「女王に言われて? それで過去の行いを謝ってるの? いじめに目をつぶってたことを?」
「だったら早過ぎるな。 それともこれからも、ある日突然思い出す度に、コーヒー持って謝りに来るつもりなのかい? それはむしろ迷惑だよ」
「だってそうだろ? それとも何か? 君は自分がしでかした悪事がそれだけだとでも思ってるのか? そりゃいくらなんでも厚顔無恥ってもんだと思うよ。 いじめを放っておくなんて、君が僕にした数々の仕打ちの中じゃあ、一番軽い方だ。 そんなことをいちいち恨んでいたんじゃ、あの頃の僕は呪いの大家になってたさ」
「第一ね。君は君はそうやって悲壮感たっぷりに語るけど、実際の所、当時の君は、そりゃあ驚くほど図太かったぜ? いじめを見過ごすってよりは、けしかける勢いだった」
いやぁ、なんつーかね、梓というキャラは自分としては凄くリアルだと思うんですよ。
普通は主人公の幼馴染のヒロイン役の少女にこんな設定はありえないと思うけども。
でも、それはあくまで「フィクションの中の幼馴染」ではありえないことで。
リアルの、実際の幼馴染でこれに似た状況というのは十分ありうると思うんですよね……
それにしても。
梓の「あまり(読み手の)受けがよくなそうな幼馴染」というものに対するフォローがしっかりしてたのも良かったです。
「ちょっと嫌な少女」から、今となっては笑い話で済ませられる「凄い嫌な少女」にまで格上げ(謎)してしまうことで、マイナスなイメージを完全に吹き飛ばしたというか。
景が機転利かせたんだろうけど、作品の構成として、これはホントに上手いやり方だと思う。
梓が過去にやってしまったことを否定するわけでもなく、それでいて、マイナスのイメージを残さないというのは絶妙。
とりあえず、自分は梓好きですよ。(梓以上に景の方が好きなんだけどねw)
もしも、自分が(幼少期の)景と同じ立場で、梓みたいな子がいたら、それで満足してた気がするなぁ……
あとは、意外なところで意外な人物が大活躍という、まぁ、ある意味王道か。
とりあえず、バール(ベルゼブブ)と久美子の会話は興味深かったなぁ。
カプセルの事実とかよりも、それ以外の部分の方が特に。
こういう回りくどい、意味の分かりづらい講釈みたいなのを読むのは面白いですね。
それと忘れちゃいけないのがラストの公園でのシーン。
シリーズの締めとして考えられていたシーンの一つというだけあって、凄い良い終わり方になってますよね。
ここで(5巻)で完結にしても何の問題もないくらいに。
(その後のバールらの会話がなければ、ですがw)
それにしても、この作品って、敵キャラがめっちゃ魅力的に書かれてますよねぇ。
ベルゼブブは言うに及ばずですが、バールもベリアルも。
特にベリアルは3人の中ではあんまり特徴のない地味っぽいキャラという印象だったけど、ラスト、自らの命を賭してバールを救うあたりで印象が上方修正。
景や梓達以上に、仲間意識が強いというか……ちょっと違うな。
うーん、適切な言葉が出てこないや。