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 ムシウタ04.夢燃える楽園 著:岩井恭平     【ライトノベル雑感】
2004/12/22 10:23

角川スニーカー文庫。

人によって印象が凄い変わりそうだなぁ、と思った。
今回のストーリーが、じゃなくて。
今回のストーリーの主役である菰之村 茶深(このむら ちゃみ)というキャラが。
個人的にはかなり好きなんですけど、絶対に一般受けはイマイチでしょうね。
いかにも、好かれづらいキャラですし。
ただ、自分はこういうキャラの方が感情移入という点では共感しやすい。
大助とか詩歌のようなキャラはあくまで「物語の登場人物」として見てるけど、茶深みたいなキャラは気づかないうちに自分と重ね合わせてたりして。
表面的な性格とかは「ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド」に出てきた”傷物の赤”こと九連内朱巳に似てるんだけど、内面は別に似てないかな。
朱巳よりも、かなり人間臭いというか。
(別に朱巳が人間っぽくないってわけじゃないですけどw)

ストーリー的には茶深を中心としつつも、虫憑きというこの作品のメインに関わる部分の複線がたくさん出てきた感じ。
個人的には茶深が結構お気に入りなわけですけど、多分、世間的には千晴の方が人気高いんでしょうね。
いや、千晴も良いキャラだと思いますよ。
この作品って男女問わず”良いキャラ”が多いので、そこまで印象的でもないですけど。

ちょこっとネタバレになりますけど、これで茶深に千晴がついて行くとなると、今後大助や詩歌達と対立することになるんですかね。
姉弟同士での対立というのは激しく燃えるので期待。
いや、直接二人が戦うような展開はないとは思いますが……

あーあと忘れちゃいけないのが、利菜の存在。
ここまで一人の人間の死をストーリー上で引き立たせてるのは、ただただ上手いの一言に尽きます。
以前にも何かの感想で書きましたけど、自分は物語の中でキャラクターが死ぬことによって与える影響が大きい作品が好きなんですよね。
「魔術師オーフェン」とかその典型なんですけど。
1巻で”チャイルドマンが死んだ”という事実がその後の全てに影響を与えてて。
仮にチャイルドマンが死ななかったら、もう「オーフェン」という物語は成り立たない。
そういう影響力のある死を描いた作品が大好きなわけで。
この「ムシウタ」という作品も1巻で利菜が死ななかったとしたら、全く違うストーリーになりますよね。

土師圭吾の存在も似たような感じ。
1巻で意識不明になって、もちろんその後全く出番がないにも関わらず、しっかりとストーリー上で重要な役割を果たしてる。
シリーズ作品で、キャラの数が増えると”キャラの使い捨て”が顕著に現れがちですけど、この作品の場合、そういうのがほとんどないのも素晴らしい。


今まで1巻は詩歌、2巻は千莉、3巻は初季、bug1巻は亜梨子と、これまでわりといかにも~な萌えヒロインが物語の中心になってきただけに、今回の茶深のようなヒロインはイマイチだと思う人が多そう。
他所の感想見てても、「今回が一番面白かった」的なことを言ってる人は見当たらなかったし。
個人的には萌えヒロインも良いんですけど、茶深みたいなキャラも捨て難い。

それにしても。
茶深は流石に死なないと思ったから、今回は誰も(メインキャラは)死なないのかなーと思ってたところで、ラストがアレですか……
ちょっと、いやかなり、意表を突かれたなぁ。
半分ほど読んだあたりでは一番死にそうなのは千晴だと思ったんだけどねぇ(苦笑)