富士見ファンタジア文庫。
ドラゴンマガジン誌上で募集した読者投稿の設定を元に、富士見ファンタジア文庫の人気作家が一つの短編を書くというテーマで集められた4作品が収録されてる模様。
秋田禎信氏の「スペル・ブレイク・トリガー!」が115ページ。
榊一郎氏の「ウィークエンドメサイア」が77ページ。
神坂一氏の「あしたの大魔王」が75ページ。
賀東招二氏の「機動アントロイドエーネジェント メタルソルジャー」が37ページ。
とりあえず、以下それぞれの感想。
まず、秋田禎信氏の「スペル・ブレイク・トリガー!」
秋田氏らしい作品でした……以上(マテ)
まぁ、たかだか100ページ程度しかないわけで、そこでシリアスな内容をやろうと思ってもそうそう出来るものじゃないし。
そんなことやろうとしてもほぼ間違いなく中途半端な内容になってしまうだろうし。
となると、普通に単純なギャグコメ系の話以外は書けないわけですからねぇ。
どんなに頑張っても「すげー面白い!」という感想にはなりえないと思う。
(と言いつつ、後でこの発言を覆すことに……)
まぁ、100ページしかなくても面白い短編が書ける作家というのもいるとは思いますけど。
少なくとも秋田氏はその作家ではないと思う次第。
「オーフェン」みたいなシリーズ作品を書いてこそ真価を発揮するタイプだと思うので。
あ、もちろん全然面白くなかったわけじゃないですよ?
秋田氏の作品(というか文章)が好きな人ならそこそこ楽しめる内容だと思います。
次、榊一郎氏の「ウィークエンドメサイア」
「スクラップド・プリンセス」の作者さんのようですね……
タイトルは聞いたことあるけど、未読なんで榊一郎氏の作品はこれが初見。
思ったよりも面白かったというのが第一印象。
最初の秋田氏の短編よりもきっちりまとめてる感じです。
キャラの描き方もかなり自分好みですし、この作家さんの他の作品も読んでみたいな、と思いました。
第八曜日認識者とか、既に世界は終わっているとか、やたらツボを突く設定で、短編で終わらせるのは勿体無い感じ。
機会があれば続きが読んでみたいところ。
次、神坂一氏の「あしたの大魔王」
うわあああ、すげぇおもしれー!
「スレイヤーズ」以外の作品の評価はそこそこという印象で、あの作品だけが例外的に爆発的な面白さを持ってるのかと思ってましたが、そうじゃなかったようで。
いや、短編でこの面白さは尋常じゃないかも。
キャラ・設定・ストーリー全てがツボ。
というか、本気で短編なのが惜しまれます……
シリーズ化してくれたら、絶対買うんだけどなぁ。
やはりファンタジーモノを書かせたら神坂氏の右に出るものはいないね。
是非とも新シリーズとして続編書いて欲しいですよ。
最後に、賀東招二氏の「機動アントロイドエーネジェント メタルソルジャー」
「フルメタル・パニック」の作者さん。
賀東招二氏の書いた作品もこれが初見なのですが……
これはまた何とも言い難い(苦笑)
そもそも、短編にすらなっていないような気がしないでもない。
内容が良い悪い、面白い面白くない以前の問題かと。
ページ数も一人だけやたら少ないのは締め切りとか、その辺の問題があったんですかねぇ。
この作家さんのファンにとってはそれなりに興味深い話なのかもしれないけど、個人的にはあんまり。
これって短編小説というよりはエッセイに近い感じですよね。
何だか、4作品の中では一つだけ浮いちゃってる印象。
総じて、短編として見るなら満足できる内容だったと思います。
神坂氏の「あしたの大魔王」は本気で長編にしてシリーズ化して欲しいと思ったくらいですし。
この手の企画モノは盛大にこける印象が強かったので、あんまり期待してなかったのですが、想像以上の出来で満足。
ただ、基本的にはファン向けの内容ですから、4人とも知らないという人だとあまり楽しめない可能性もあります。
自分は秋田氏&神坂氏の二人がライトノベルにハマるきっかけとなったぐらい大好きな作家なので、非常に楽しませてもらいましたけどね。