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 アリソン 著:時雨沢恵一     【ライトノベル雑感】
2004/07/29 08:04

電撃文庫。

おもしれー!
……というのが率直な感想。
「キノの旅」が他の作品にはない特殊な構造をしてるのに対して。
こっちは何というか、普通に王道。
キャラもストーリーも悪く言えば当たり障りのない感じで。
ただ、この安定感は純粋に凄いかなーと。
ギャグのセンスが良いとかいう理由じゃなくて、ただただ読み進めるのが楽しくて仕方ないというのはびっくりですよ。

ストーリー的には、主人公(兼ヒロイン)のアリソンと、主人公(兼アリソンに振り回される役)のヴィルが飛行機(=戦闘機)に乗ったり、敵国の基地に侵入したり、お宝を見つけたりと、まぁ、わりとよくある冒険モノ。
とりあえず、アリソンとヴィルのカップルが凄く良いのですよ。
某所のライトノベル大賞のベストカップル部門で上位に入ってたりするのも納得。
別に恋人同士というわけではないので、正確にはカップルという言葉には語弊があるかもしれないけど。
ベストペア、ベストコンビ、言葉は色々あるけど、二人が揃ってるのが凄く良い。

サブキャラのベネディクト少尉も個人的に好きなタイプのキャラですし。
悪役な人たちは置いておくと、それ以外はみんな良い人ばかりという……何というか、そういう部分に物語らしい安易さを感じないこともないんだけど、この作品の場合はそれが長所なんだろうなぁ、と思います。
読んでて面白くて、読み終わると心地良い気分になれる作品。
「キノの旅」は微妙に後味の悪い終わり方とかが好きなんですけど、こういう終わり方も悪くない。

もはや恒例を通り越して、(読者への)義務になりつつあるような気もしないでもない、ユニークなあとがきも健在(苦笑)
さりげなく、筆者の名前が「時雨沢恵一」から「時雨駅悪一」になってたりするし。
いや、最初読んだ時は普通に気付かなかったですよ(笑)

「キノの旅」は短編の集まりってこともあって非常に読みやすいのが特徴ですが。
長編になっても、きちんとその読みやすさが残ってるのは流石というか。
短編だから読みやすいわけじゃなくて、そもそも文章のセンスが優れてるのでしょうね。

それにしても。
電撃大賞の最終選考で落選した人が、今や電撃を代表する作家になっているというのも面白い。
(例の「完全読本」によると、最終選考に落ちた後、電撃hpに掲載されて、そこで人気が出て文庫化に至ったらしい)