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 フィリシエラと、わたしと、終わりゆく世界に1 著:今田隆文     【ライトノベル雑感】
2004/07/23 07:54

富士見ファンタジア文庫。

参考:
「Astral」 著:今田隆文
「Astral2」 著:今田隆文

上の感想を見てもらえば分かりますけど、自分のこの作者の評価は「取り立てて悪い点も見当たらないけど、逆に長所も皆無」というもので。
じゃあ、何でその作者の新作を買ってみたかと言うと、単にタイトルが気になっただけだったりするわけですよ。
「終わりゆく世界」というフレーズはめっちゃ大好きなので(苦笑)
で、ぶっちゃけ、内容に関してはさほど……というか、ほとんど期待してなかったんですけど。
一言で言うなら、「完膚なきまでに予想外」でした。
まさか、こういう方向で攻めてくるとは。

ストーリーは、とある事情で人間がほとんどいなくなった地球の、とある場所に人造人間たちが集まって暮らしてるという話で。
初期設定は秋山瑞人氏の「鉄コミュニケイション」に近い感じかな。
違いと言えば、あっちは一人の少女(人間)が話の中心にいたのに対して、こっちは中心にいるのも人造人間という点。
あと、タイトルにもある通り、世界の終わりというのが遠からず確実に訪れる回避しようのない世界だという点。
つまるところ、「鉄~~」の方は不確定ながらもしっかりと未来があるけど、こっちにはそれがない。

とりあえず、興味深い作品であることは確か。
ただ、現時点(1巻だけ)では何とも言えないですね、これは。
何というか、今後の展開次第で名作にも佳作にも、或いは駄作にもなりうる。
そういう意味で、非常に「興味深い作品」だと思います。

……はっきり言って、あの「Astral」を書いた人と同じ人が書いてるとは思えないよなぁ(爆死)
無難という言葉が正にぴったりな作品を書いてた作者が、一転して、ここまで挑戦的なシリーズを書き始めたというのが一番の驚きですよ。
あとがきに書いてある一文からも、その決意の深さが窺い知れます。
「今の自分に持てる力を出し切れたと言える、ここにいる一人の新人作家の器が示された作品です」
この1巻だけじゃ、その器の片鱗しか分からないけど。
そこからは確かに、他の作品にはないものを感じます。

これでまた一つ、続きが楽しみな作品が増えました。
あとがきでは「2巻は夏頃」って書いてあるのに、今のところ刊行予定がないようですが。
少しくらい遅くなってもいいから、是非納得のいくものを書き上げて欲しいところ。

そう言えば、この作品、富士見ファンタジア文庫なんですよね。
これまでは電撃文庫(及び電撃G’s文庫)で書いてたのに。
最近、一つのレーベルじゃなくて、複数のレーベルから作品を出す人が増えましたよねぇ。
ちょっと前までは、上遠野浩平氏ぐらいしか見かけなかったのに。


追記
売れ行きが微妙で続編の刊行予定は無くなったらしいですね。
とにかく残念。
その一言に尽きます。
作者はもっと無念に思っているでしょうけども。

打ち切りの理由は、単純に「売れなかった」からだそうで。
イラストも特に目を惹くタイプではないし、あらすじも地味だし、そもそも今田隆文氏も別に人気作家というわけでもなく。
考えられない事態ではなかったのですけど、本当に残念な限り。
今思えば、自分が巡回してるサイトの中でこの本を買ったって人、ほとんど見かけなかったかな。
既に2巻も書き上がっているということなので、このままお蔵入りさせちゃうのは勿体無い。
これ、電撃から出てたらまた違った結果になってたかも。

何にしても、どんな形でもいいから、続きを読ませて欲しいところです。
2巻以降は電撃で出すとか(爆死)
個人的には「Astral」よりもよっぽど面白いと思うので、何とか続きを!
しかし、シリーズ化を前提にした1巻目が全く売れずに打ち切りというのは、あまり聞いた事がない話ですね(爆死)
富士見ファンタジア文庫はそんなに余裕ないくらい切羽詰ってるのかなぁ。