「マルドゥック・スクランブル The First Compression―圧縮」
「マルドゥック・スクランブル The Second Combustion―燃焼」
「マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust―排気」
ハヤカワ文庫JA。
何ていうか、不思議な作品でした。
ていうか、構成が妙な感じですよね、この本。
全3巻構成で、普通に考えたら、1巻・2巻・3巻って区切りになるはずなのに。
何故か、1巻~2巻序盤、2巻中盤~3巻中盤、3巻終盤という区切りになってる気がする。
だから、1巻読み終わった時はストーリー的に中途半端で、2巻読み終わった時も同様だったりするわけで。
最初から3巻構成で書いたストーリーではなく、書き終わってから3巻にまとめたから、なんでしょうね。
あとがきでも触れてますけど、この作品、書かれたのは結構前らしいんですよね。
ただ、書き終わった後に、本として出してくれる出版社を探すのに数年かかった、みたいに書いてあって。
普通は、出版社も決まって、内容も編集の人と打ち合わせとかして、その上で書き始めるのが普通なわけだけど。
この作品は、そうじゃないんですよね。
だから、もしも、出版社が見つからなかったら、日の目を見なかった可能性すらあるという。
まぁ、そういう裏話は置いといて、内容に関して。
上でも書いたように3つに分けられるので、それぞれの簡単な感想。
まず、1巻~2巻の序盤。
前半は物語の導入部、みたいな感じ。
舞台設定が絶妙なのと、キャラの個性付けが上手いので、すぐに物語に引き込まれます。
で、後半が戦闘シーン。
個人的に、ここがこの作品で一番好きな部分かな。
主人公の隠れ家に集団で侵入して襲い掛かってくる異常殺人者どもを、主人公の特殊な能力(電子機器などの干渉できる能力など)と、どんなものにでも姿を変えられる特殊なネズミの力でもって、撃退するわけですが。
相手への容赦のなさがかなり最高。
続いて、2巻中盤~3巻中盤。
ここはカジノのギャンブルがメイン。
多分、ここがこの作品の一番の山(盛り上がりどころ)。
ずっと持続してる緊張感はただ一言、凄いとしか言い様がないかも。
最後に、3巻の終盤。
個人的にはちょっとイマイチだったりする部分(爆死)
なんていうか、静か過ぎるんですよね……
それまでの展開でアレだけ盛り上げたにも関わらず、ラストが予想外にあっさりしてて。
全然ダメ、とは言わないけれど、物足りないのは事実。
こういう言い方は偉そうで嫌だけど、ここまでのストーリーを書いて、作者が燃え尽きてしまった感じがするというか。
最初からこういうラストを想定してたとは思えないんですよねぇ。
本当は最後まで勢いを殺さずに走り抜けるはずだったのではなかろうか。
とか、そんなことを思わずにはいられない(苦笑)
ま、最後は批判っぽいことを書きましたけど。
全体的な完成度はかなり高いと思います。
というか、普通に面白いんで(笑)
テーマは「少女と敵と武器」だそうですが、この3つの言葉を聞いて興味を抱くような人であれば、確実に面白いと思えるはず。
個人的には、やっぱり「少女」がポイントですな。
この作品、一貫して主人公の少女をメインに据えてるんでね。