富士見ファンタジア文庫。
ネタバレは避けられないので、ご注意を。
まず、一言。
あー……これで終わりかぁ、という気持ちでいっぱいです。
「イリヤの空」でも似たような感覚を味わったけど、今回はあの時味わった感覚とは比べ物にならないです。
4巻で終了した「イリヤ」と、20巻(約10年間)続いてきた「オーフェン」とではその重みが違うというか。
勿論、「イリヤ」を悪く言うつもりはありませんよ?
で、内容に関して。
これは可もなく不可もなくというところかなぁ。
自分としては不満もあります……というか、ぶっちゃけ不満点多いです(苦笑)
まず、前巻において久々のハーティア登場などであれだけ盛り上げたにも関わらず、その流れに乗れてないように感じたというか。
「聖域にて家族が揃う」云々って話もあんまり意味がなかったように思えるし。
結局、ティッシやアザリーとはほとんど話もしてないしね……
そもそも、あの終わり方はどうなのだろうか?
結界外の世界ってのが出てきた時点で、もしかしたら、最後は結界が無くなるのかなぁ、というのは予想の一つとしてあったけど、これじゃ第2部の意味がなくなる気が。
アイルマンカー結界が無くなれば女神は侵攻してこない、というのが正解なら、13使徒をはじめ、これだけの死者を出すことに何の意味があったのやら。
更に今まで第2部東部編の中心的存在であり、かつ謎であったコルゴンが微妙すぎる。
ここに来ていきなり、「自分に魔王の力を降臨させる」などとわけの分からんことを言い出す始末で。
あんた、何様のつもりなんだよと言いたい(苦笑)
始終シリアスなキャラに見えて、一番間抜けなキャラに思えてきた(爆死)
良かった点と言えば、やっぱりハーティアでしょうなぁ。
彼とコルゴンのやり取りはシリアスオンリーなストーリーの中で一番印象的でした。
ただね……やっぱり、ギャグ担当は地人兄弟じゃないとダメだと思うのですよ。
第1部ラストの「我が神に弓ひけ背約者(下)」みたいに。
ぶっちゃけ、そこが最大の不満かも。
まぁ、シリアス一辺倒で来て、最後の最後で地人を使うというのは、上の第1部ラストでやってるから、同じことは出来ないと思ったのかもしれませんが。
自分としては、そういう終わり方の方が良かったかなぁ。
こうやって挙げてみると不満ばかりですなぁ。
魔王スウェーデンボリーの設定を持ち出したあたりは結構良かったんですけどねぇ。
それがああいう結末に繋がるのが納得いかない。
そう言えば、マジクがイザベラ教師補に教えてもらったことって、最後のアレなの?
だとしたら、イザベラ恐るべし……じゃなくて、マジクは何を思っていたのだろうか。
特訓(?)して怪我(?)したりしてたけど、あの二人は一体何をやっていたのやら。
プルートーとマリア教師も結構微妙。
プルートーはまだオーフェンとの絡みがあったから多少マシだけど、マリア教師なんて今回一言も喋ってないような気が。
というか、王都の魔人とか言われてたのに、実際のところ、プルートーがどれだけ凄い魔術士なのか全然分からないんだよねぇ。
どんな攻撃を喰らっても無事っぽいってのが強さであるなら、地人兄弟にだって同じことが言えるわけで(爆死)
もっと、ドラゴン種族との戦闘の描写があれば、印象も変わっただろうに。
マジクとクリーオウに関して。
多分、このシリーズで一番変わったのがクリーオウではないかと思ふ。
最初は単なる我が侭キャラで、よくいる基本的には邪魔ばかりだけど、本当に大事な時だけ頼りになるキャラ、みたいな印象があったけど。
レキ(ディープドラゴン)をストーリーの中核に置いた、第2部東部編の後半ではかなりキャラが変わってますよね。
でもって、良くも悪くもあんまり変わらなかったのがマジクかなぁ、と(笑)
最後のクリーオウとの会話を見る限り、ちゃんと成長してるみたいですけど、それが表に出てこないのが彼らしい。
自分としては、最後はもっと派手な活躍を期待してたんですけど、今の彼にはあのクリーオウを止めるので精一杯なのかもね。
まぁ、アレはアレで大事な役割だと思いますが、残念ながらその後のハーティアの方がインパクトが上です(苦笑)
そういうのを含めてマジクらしいと言えなくもないけど。
チャイルドマン・パウダーフィールドに関して。
最後の最後まで彼を中心としたストーリーにするかと思ったら、予想外に最終巻では出番がほとんどなかったのでびっくり。
(出番っていっても、既に死んでるけどw)
その代わり、最後はチャイルドマン教室の生徒達だけで全てやっちゃった感じですけどね(苦笑)
そういう意味では、最初から最後までチャイルドマンを中心とした物語だったと言ってもいいのかもしれない。
あとがきでも言ってるように、1巻を書いた時点ではシリーズ化の予定はなかったってことらしいけど。
あの1巻があったからこそ、ここまで来れたという気はします。
というか、仮にチャイルドマンが生きてたら、2巻以降のストーリーが全て成り立たなくなるし。
その点でも、やっぱり「オーフェン」という作品はチャイルドマンありきの物語だったと言っても過言じゃないでしょう。
最後にオーフェンに関して。
なんだかんだ言って、主人公なわけですけど、最後の最後で全ての決着をつけるのがオーフェンなあたり、やっぱり主人公なんだなぁ、って感じ(意味不明)
自分としてはあの場(アイルマンカー玄室で始祖魔術士達と対峙してる場面)にオーフェンしかいなかったのが残念かなぁ。
コルゴンがバカなことを考えてなければ、彼とオーフェンとハーティアとティッシが一緒に……ってことも出来なくはなかったと思うんですけどねぇ。
もしくは、オーフェン・マジク・クリーオウの3人で、とか。
3人で……といえば、今回の表紙はかなり良かったです。
クリーオウ笑ってるし、オーフェンも一番良い顔してるし。
何より、この3人が一緒にいる絵って、最近見てなかったし。
ティッシには悪いけど、今のオーフェンにとっての家族っていうと、こっちの方が近い気がします。
……とまぁ、このくらいかな。
最終巻なので、言いたいことは全部言っちゃえってことで、多少長めですけど。
とりあえず、良い作品でした。
「スレイヤーズ」と並んで、ファンタジーライトノベル全盛期を作り上げた作品が終わり、個人的にはこれで一段落という感じ。<何が?w
あとがきを見る限り、現時点では続編を書く予定はないみたいですし。
そういや、あとがきが今回8ページもあったのは個人的に嬉しかったですね。
最後ですから、やっぱり言いたいこともたくさんあると思うわけで。
もしも、あとがきが2,3ページしかなかったら、確実に不満が残ったはず。
……にしても、これでホントに終わりなんですね。
「スレイヤーズ」が終わった時もそうだったけど、やっぱ喪失感が大きいなぁ(汗)
まぁ、無謀編が最後に1巻残ってるし、それを楽しみに待ちますか。
無謀編も終わったら、今度こそ完全に「オーフェン」の完結……ですか。