富士見ファンタジア文庫。
第14回ファンタジア長編小説大賞<大賞>受賞作。
というわりに、全然話題になった記憶がないのですが。(ちなみに、発売されたのは今年の1月)
何かね、大々的に宣伝して、ネットでもそれなりに評判になった某スニーカーの大賞受賞作が個人的に普通すぎる内容だったので、大賞受賞の価値が著しく下がっていたのですが。
8月に読んだ「銀盤カレイドスコープ」とこの作品で、大賞の価値を思い知ったというか。
やっぱり、大賞受賞作ってのは、他の作品と比べて、明らかに優れてる点があるものですよね。
「これは他の作品にはない!」という大きな魅力が絶対にある。
自分は某スニーカーのアレにはそういう「他の作品にはない魅力」を感じ取れなかったけど、もしかしたら、ちゃんと存在してるのかもね。
(と一応、フォローしてみる。でも、アレが今まで読んだライトノベルの中で一番面白いとか思う人がいるのだろうか?という疑問は残るね。少なくとも、ホントにそういう魅力があるのだとしたら、少数でもそういう「この作品が一番好き」っていう人が現れてもおかしくないはずなんだけど。まぁ、自分はネットでの感想しか見てないから、「一番面白いライトノベルはハルヒです」っていう人もいるのかもしれないけど)
話を戻して、「12月のベロニカ」の感想。
とりあえず、ファンタジーなのですよ。
で、自分が読み終わって、一番最初に思ったのが、「こういうのが今後のファンタジーの主流になるんじゃないかなぁ」ということだったり。
なんというか、新しいタイプのファンタジーモノなんですよね。
今までは剣とか魔法とか出てきて、仲間がいたりして、旅をしたりして、敵を倒したりとか。
そういう、一般的なRPGっぽいのが多かったと思うのですよ。
この作品は、それだけじゃなくて、プラスαとして、今までのファンタジーモノには無かったものを取り入れてる感じ。
巻末に「編集部の解説」みたいなのがあって、そこにこんなことが書いてあるのですが。
良くミステリーなどでは「再読に耐える内容」と言うほめ方をします。トリック重視のジャンルでありながら、読み直すたびに新しい発見があるほど、緻密に作られている小説に使われる褒め言葉ですが、この小説にもそのままそれが当てはまると思います。
この作品はファンタジーでありながら、一番の魅力は物語の構成にあるのです。
でもって、これが非常に素晴らしい出来なのですよ。
まぁ、トリック自体は中盤くらいで分かっちゃうんですけど、それ以降の展開がまた素晴らしくて……
とりあえず、個人的には文句のつけようがない出来です。
つか、結末がある程度想像できても、それでも感動させられる物語って凄いなぁ(謎)
ちなみに、このトリック、最初は「『Ever17』っぽい?」とか思って読んでたんですけど、それ以上に「あししょ」こと「あした出逢った少女」にクリソツです。
はっきり言って、両方とも同じプロットから作ってるんじゃないか?と思ってしまうぐらい酷似してます。
それが悪いってことじゃなくて、ここまで似てるのは珍しいなぁ、と。
完成度で言えば、こっちの方が上だと思いますけどね。
それにしても、このハキュリーってキャラは個人的にかなりヒットですよ。
最初から最後まで、自分以外の他人のために生き抜いたって感じでカッコよすぎ。
この作品のホントの主人公はフレイルじゃなくて、彼の方だよなぁ……
で、評価は90点。
新人とは思えないほど、テキストのレベルが高いです。
とりあえず、この人が新刊出したらデフォ買いの方向で。
一時期に比べて、イマイチ盛り上がりに欠けるライトノベルファンタジー系で、久々に期待できる作家が現れたって感じかも。
関係ないですけど、自分の感想って、どうもあんまり褒めてるように見えないらしい(苦笑)
自分の中では「かなり面白かった」的な感想を書いたつもりなのに、薦めてくれた人が「月臣さんには合わなかったみたいですね……」とか言われたり。
なんでですかね?
良い点だけじゃなくて、悪い点とか、気になった点も挙げてるから?
自分は、面白いと思った作品であっても、悪い点を挙げるのは普通だと思うんですけどねぇ。
というか、ダメな点を挙げずに、ただひたすら「良い!」ってだけ言っても説得力に欠ける気がしてならないというか。
「ここがダメだけど、こっちは良い」みたいな感想の方が自分も読んでみようかな、という気持ちにさせられるんですけどね。
他の人はどうなんだろうか~?とかちょっと思いました。
基本的にホントに気に入らなかった作品は毒しか吐きませんし(爆死)
「まぶ○ほ」とか「涼宮ハ○ヒの憂鬱」とかね。